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詳細
閲覧数:1970
ID |
m1012002 |
アイテムタイプ |
Article |
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タイトル |
井伏鱒二研究:社会性のみられる作品に関する考察
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別タイトル |
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著者 |
三浦, 世理奈
(Miura, Serina)
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別府大学大学院文学研究科日本語・日本文学専攻
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日付 |
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形態 |
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識別番号 |
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抄録 |
要旨
井伏鱒二の社会性を問う事を目的にし、作家として出発した頃に発表された「炭鉱地帯病院―その訪問記―」(昭4)、続けて発表されたの「川」(昭6)、太平洋戦争のさなか徴兵されたシンガポールで執筆した「花の町」(昭18)、そして戦後まもなく発表された「遥拝隊長」(昭25)の四作品をとりあげ、井伏の社会性と戦中のスタンスを問う事を目的に考察した。井伏の作品の研究状況は、個々の作品の研究は進んでいるものの、戦前・戦中・戦後の作品を射程に入れて一つの方向性を問う研究はあまり為されていない。このような研究状況に一石を投じるため、上に挙げた四作品から井伏の社会性を問うことを研究テーマとして設定した。研究の結果として言える事は、昭和初期に発表された「炭鉱地帯病院」「川」には、国家権力に対しての批判が作品の中に書かれていたものの、それは隠すような方法で表現されていた。戦中に発表された「花の町」では、井伏自身を連想させる徴用作家達やシンガポールで行われている日本語政策を滑稽に描いており、権力の問題は全面に押し出されることはないが、やはり戦前の作品と同じく批判は隠される形で表現されていた。しかし、戦後に発表された「遥拝隊長」をみると、軍人の悠一を狂人として描き、悲劇的な主人公として描き出しており、天皇制への批判意識が顕在化していた。このように、戦前戦中の作品では隠されていた批判が、戦後の作品では全面的に表わされるようになっていた。また「炭鉱地帯病院」では水面下での民衆の人々の結びつきが「テンダネス」として描かれていた。しかし「遥拝隊長」では平穏を第一に求めるが故に、狂人悠一を生みだし排除する存在として、部落の人々は描かれている。このように戦前から戦後にかけて農村共同体への批判意識の変化もまたみられる結果となった。 |
キーワード |
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NDC |
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注記 |
平成23年度修士論文 指導教員 瓜生清 |
言語 |
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資源タイプ |
text |
ジャンル |
Thesis or Dissertaion |
Index |
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