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閲覧数:2740
ID |
M1114005 |
アイテムタイプ |
Article |
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タイトル |
青年期における過剰適応と自尊感情の研究
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著者 |
藤元, 慎太郎
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別府大学大学院文学研究科臨床心理学専攻
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日付 |
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抄録 |
【要旨】
本研究では、過剰適応を「外的適応が過剰なために内的適応が困難に陥っている状態」と定義し、自尊感情を不適応的であるとされる随伴性自尊感情と、適応的であるとされる本来感の2側面から捉えた。過剰適応傾向のある青年が外的な適応行動をとりつつも、自分らしさを維持・向上できる自尊感情のあり方を検討し(研究1)、さらに過剰適応傾向のある青年に対しての心理臨床的アプローチの方向性を検討すること(研究2)を目的とした。大学生を対象に質問紙調査を実施し、研究1(237名)、研究2(508名)の有効回答を分析した。研究1において、自尊感情が過剰適応および学校適応感に与える影響を検討するため、共分散構造分析を行った。その結果、本来感の高まりによって過剰適応傾向が緩和され、学校適応感が向上することが示唆された。随伴性自尊感情の高まりによって、過剰適応を高めることが示唆された。しかし、大学という環境に適応するためには随伴性自尊感情も必要であることが示された。随伴性自尊感情の適応的側面が示唆されたが、内的適応を高めた上で学校適応を促すことのできる本来感へのアプローチの意義が明らかとなった。研究2において、本来感の下位様態として設定されている本来性を用い、本来性が過剰適応および学校適応感に与える影響を検討するため、共分散構造分析を行った。その結果、過剰適応傾向の青年に対する臨床的アプローチの方向性として、自分の気持ちに「気づく」ように促すこと、そして気づくことができるようになったら、「自己対峙」を促すことが有効であるという方向性が示唆された。最終的に「自分の気持ちにあった行動」ができるようになり、「アイデンティティが確立される」ことが過剰適応の緩和に重要であることが明らかとなった。このような個人の内省を深めるようなアプローチとしてフォーカシングが挙げられる。過剰適応傾向の青年に対するフォーカシング的アプローチは先行研究に取り上げられていない現状であるため、今後の検討が求められる。以上より、本研究での示唆は過剰適応を呈している“よい子”への臨床的アプローチとして学生相談などの一助になると考えられる。 |
注記 |
平成25年度修士論文 指導教員 大嶋美登子 |
言語 |
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資源タイプ |
text |
ジャンル |
Thesis or Dissertaion |
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