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ID | M1113003 | ||||||||||||
アイテムタイプ | Article | ||||||||||||
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タイトル | 系図と祖先祭祀に関する研究 : 大分県を中心に | ||||||||||||
著者 |
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抄録 | 【要旨】 系図や由緒書など系譜・家譜を探ることができる史料(系譜史料)を扱う本論は、出自や家柄をよくみせようとした目的で作成されたという面を強く持ち、附随的な史料(二次史料)として扱われることが多かった系譜史料そのものの史料価値について検討を試みた論文である。また、検討するにあたって、系譜史料として従来認識されている系図や由緒書などの史料以外にも系譜史料として扱うことのできる史料があることに留意し、姓名や祖先祭祀、墓、形質人類学で扱う骨など、近年系譜史料として扱われるようになったこれらの史料を歴史学の視点からみることで、どのような系譜意識をみることができるのか考察を行った。 本論は序章で系図・祖先祭祀に関するこれまでの研究をまとめ、第1章では、村落構造と祖先祭祀を司る同族組織の関係を地域的特徴からみてき、九州・特に大分県の村落構造と祖先祭祀の特質を明らかにしようと試みた。大分県の祖先祭祀は、系図祭りと呼ばれる系図を御神体としておこなわれる先祖祭りがあること。また、家単位で祖先祭祀が持ち回りでおこなわれており本家・分家関係が他の地域と比較しても希薄であることを指摘し、大分県において祖先祭祀の御神体としてなぜ系図が用いられるようになったのか、また祭祀が持ち回りであるのはなぜかという問題を浮き彫りにした。第2章では、墓地と先祖祭りの関係について、大分県の国東半島でみられる中世から続く墓地の事例を中心に考察を行った。なぜ墓地を維持し続けてきたのか、また、墓地で行われる先祖祭りにはどのような系譜意識が表れているのか検討した。 国東半島でみられる墓地には、中心塔が存在しており、それぞれ14世紀はじめから半ばにかけて建てられたものであった。この時期は、継承される家が成立し始める時期とほぼ同時期であり、墓地の成立に継承される家、また、家の名である名字の定着が関係することがわかった。また、中世から続く墓地を持つ一族には、先祖祭りや一族文書など系譜意識を窺える史料が伴っていることが特徴的であるといえ、それぞれの史料が単独で、無関係なものでなく、それぞれが一族または家の継承を目的とする系譜意識を持つものであると考え、第3章では、名字・一族共有文書について詳しく検討した。はじめに名字の成立についてまとめ、名字と系図の関係性を明らかにし、系図に伴って一族で保管されている一族共有文書について、今仁共有文書・吉村韓太文書の事例をみていき、文書の内容からどのような系譜意識も持ち、文書が一族で保管されてきたのかを考察した。 しかし、今回の論文ではまだ検討されるべき問題を深く追求できなかったため、課題が多く残ってしまう結果となった。残された課題は今後の研究課題としたい。 |
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注記 | 平成25年度修士論文 指導教員 飯沼賢司 |
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資源タイプ | text | ||||||||||||
ジャンル | Thesis or Dissertaion | ||||||||||||
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