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ID M1112F01
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タイトル 上海方言を母語とする日本語学習者の日本語の音声習得に関する研究 : アクセントを中心に
著者
丁, 一文
別府大学大学院文学研究科日本語・日本文学専攻
日付
出版年:  - 
作成日
更新日
記録日: 2013-06-11
抄録 【要旨】
文法学習に学習者の母語が影響するように、音声学習においても、学習者の母語の影響がある。しかし、従来は標準中国語である北京語を母語とする日本語学習者を対象とした音声学習についての研究がほとんどであった。中国南部地区における方言が日本語のアクセント習得にどれほど影響を与えるかが本研究の動機である。
 本研究では、主に上海方言を母語とする日本語学習者を対象とし、日本語のアクセント習得について音声聴取で調査を行った。
 調査の結果、北京語話者や北京語の影響を強く受けた上海方言話者は2拍平板型動詞のアクセントが習得しにくい。それに対して、上海方言の発音習慣の影響を受けた上海方言話者の習得率は北京語話者の習得率より高い。
 また、形容詞のタ形、バ形について、上海方言話者も北京語話者も弁別機能が発達している母語の発音習慣により、被調査者の多くは「-かった」(-低低低)を「-かった」(-高低低)、「-ければ」(-低低低)を「-ければ」(-高低低)と答えたことが分かった。ただし、中高型形容詞のタ形とバ形のアクセントに対して、上海方言話者の習得率は北京語話者の習得率より低い。
 更に、動詞のナイ形は、「ひらかない」のように、総合的な形として一語形である。それに対して、形容詞では、「とおくない」のように語形としては一語形であるが、分析的な形として「とおく」と「ない」の二語からなる。上海方言話者は意味を弁別して分析的な形として捉えるので、「ひらか」と「ない」も「とおく」と「ない」もをそれぞれ2つの単語と認識することが明らかとなった。
 名詞に関しては、「わたし」のような常用単語のアクセントは習得できているが、「こんらん」のような常用単語でないものや「秋が」・「飽きが」のような助詞が付いた場合のアクセントは習得できていない。また、日本語能力の高い学習者は日本語能力の低い学習者より、名詞のアクセントの習得率が高い。
 本研究の調査項目を通して、全体的に見ると、日本語能力の高い学習者のほうが日本語能力の低い学習者よりアクセントの習得率が高い。そのことが顕著にあらわれていると言えるのは、初級学習者は日本語にないアクセントタイプで読むのに対して、中・上級学習者は誤答であっても日本語にある別タイプのアクセントで読むという事実である。
 本研究は、学習者の生育地の方言が日本語の音声習得に影響することを証明し、これまで明らかにされてこなかった上海方言話者の日本語のアクセントの習得状況を明らかにした。
注記 平成25年度修士論文
指導教員 松本泰丈
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Thesis or Dissertaion
Index
/ Public / 修士論文 / 文学研究科 / 2012
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