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閲覧数:1372
ID k074107
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本文 未公開
URI
タイトル 在宅頸髄損傷者の抑うつ傾向とストレスコーピング
別タイトル
著者
出口, 貴雅
別府大学大学院文学研究科臨床心理学専攻
日付
出版年:  - 
作成日
更新日
記録日: 2013-01-22
形態
識別番号
DOI
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抄録 要旨
第Ⅰ章 問題と目的
 近年,社会福祉制度の充実や環境の整備により,呼吸器が必要な頸髄損傷者でも在宅で生活する方が多くなった.しかしながら,精神面に関する支援は行き渡っていないというのが現状である.
先行研究では頸髄損傷者を対象としたものは少ない.また,当事者がどのようなストレスコーピングを行っているかについては示されていない.よって,本論文では在宅頸髄損傷者の抑うつ傾向とストレスコーピングについて検討することを目的とする.

第Ⅱ章 方法
1)調査対象:在宅で生活している頸髄損傷者51名(男性49名,女性2名)平均年齢41.5歳(SD=9.75)
2)質問紙
1.MQS 2.TAC-24 3.SDS
統計 統計手法はt検定を用いた.

第Ⅲ章 結果
TAC-24の各下位尺度得点の「放棄・諦め」下位尺度(t(49)=2.81,p<.05)と「回避的思考」下位尺度(t(49)=3.00,p<.01)について「うつ状態にある」の方が「うつ状態にない」よりも有意に高い得点を示した.「肯定的解釈」下位尺度(t(49)=4.61,p<.001)は「うつ状態にない」の方が有意に高い得点を示した.
 MQSのネガ得点(t(47)=2.04,p<.05)について,既婚より未婚の方が有意に高い得点を示した.
 TAC-24における3軸(焦点軸,方向軸,表出軸)それぞれ同様にt検定を行った.焦点軸,表出軸について,うつ状態に関わらず,「問題焦点」「認知」がそれぞれ有意に高かった.方向軸について,「うつ状態にある」はt(10)=0.77,n.s.で「関与」「回避」の得点に有意差は認められなかったのに対し,「うつ状態にない」はt(39)=11.51,p<.001で「回避」より「関与」の得点が有意に高かった.

第Ⅳ章 考察
在宅頸髄損傷者のコーピングとして,うつ状態にある人は「放棄・諦め」,「回避的思考」のコーピングを行っていた.「肯定的解釈」によるコーピングができている人の方がうつ状態とならないことが示唆された.
MQSでは,ネガスコアにおいて既婚者よりも未婚者の方が有意に高く,ネガティブな思考に向かう傾向があることが示された.
TAC-24では,焦点軸の「問題焦点」,方向軸の「関与」,表出軸の「認知」に対応したコーピングを行っている在宅頸髄損傷者がより健康な精神状態を維持していることが示唆された.また,結果よりうつ状態になる要素が方向軸にあると推察される.よって,抑うつ傾向にある在宅頸髄損傷者への介入として,方向軸の「関与・回避」に注目したコーピングを行えるよう支援をしていく必要があると考えられる.
キーワード
NDC
注記 平成23年度修士論文
指導教員 大嶋美登子
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Thesis or Dissertaion
Index
/ Public / 修士論文 / 文学研究科 / 2011
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